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熊本市東区にしだ整形外科

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手の痛み6

6.橈骨遠位端骨折(コーレス骨折・スミス骨折)

症状

手のひらをついて転んだり、自転車やバイクで転んだときに、前腕の2本の骨のうちの橈骨が手首の近くで折れる骨折です。

特に中年以降の女性では骨粗鬆症で骨が脆くなっているので、軽い衝撃でも骨折を起こします。若い人でも高い所から転落したときや、交通事故などで強い外力が加わると骨折が起こります。子供では成長軟骨板のところで骨折が生じます。

手首に強い痛みがあり、短時間のうちに腫れてきます。手のひらをついて転んだあとでは食器のフォークを伏せて置いたような変形が見られます。ときには、折れた骨や腫れによって神経が圧迫され指がしびれることもあります。

橈骨遠位端骨折(コーレス骨折・スミス骨折)の痛み 橈骨遠位端骨折(コーレス骨折・スミス骨折)

治療

まず麻酔で痛みをとってから、手を指先の方向に引っ張ってずれた骨片を元に戻す整復操作を行ないます。引っ張る力をゆるめても骨片がずれないときは、そのままギプスやギプスシーネで固定します。

引っ張る力をゆるめると骨片がずれるものや、骨片がずれたままで整復出来ないものは手術が必要になります。ただし子供の骨折は、骨片の整復が不完全でも自然矯正力が旺盛ですので通常手術を必要としません。

手術には鋼線で骨折部を固定する経皮鋼線刺入法、手の骨と前腕の骨にピンを刺入し、それに牽引装置を取り付ける創外固定法、骨折部を直接開けて骨片を整復し、プレート固定する方法があります。

ネジとプレートが固定される「ロッキングプレート」が開発されてからは、早くから手首の関節を動かせるこの方法がよく用いられるようになっています。

※日本手の外科学会「手の外科シリーズ 13」から画像を引用しております。