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熊本市東区にしだ整形外科

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肩の痛み5

5.胸郭出口症候群

症状

つり革につかまる時や、物干しの時のように腕を挙げる動作で上肢のしびれや肩や腕、肩甲骨周囲の痛みが生じます。また、前腕尺側と手の小指側に沿ってうずくような、ときには刺すような痛みと、しびれ感、ビリビリ感などの感覚障害、手の握力低下と細かい動作がしにくいなどの運動麻痺の症状があります。

手指の運動障害や握力低下のある例では、手の筋肉の萎縮により手の甲の骨の間がへこみ、手のひらの小指側のもりあがりがやせてきます。 鎖骨下動脈が圧迫されると、上肢の血行が悪くなって腕は白っぽくなり、痛みが生じます。

鎖骨下静脈が圧迫されると、手・腕は静脈血のもどりが悪くなり青紫色になります。

原因

腕やその付け根の肩甲帯の運動や感覚を支配する腕神経叢(通常脊髄から出て来る第5頚神経から第8頚神経と第1胸神経から形成される)と鎖骨下動脈は、①前斜角筋と中斜角筋の間、②鎖骨と第1肋骨の間の肋鎖間隙、③小胸筋の肩甲骨烏口突起停止部の後方を走行しますが、それぞれの部位で絞めつけられたり、圧迫されたりする可能性があります。

その絞扼部位によって、斜角筋症候群、肋鎖症候群、小胸筋症候群(過外転症候群)と呼ばれますが、総称して胸郭出口症候群と言います。

胸郭出口症候群は神経障害と血流障害に基づく上肢痛、上肢のしびれ、頚肩腕痛を生じる疾患の一つです。頚肋も原因の一つです。

胸郭出口症候群

予防と治療

予防と保存療法が大切です。症状を悪化させる上肢を挙上した位置での仕事や、重量物を持ち上げるような運動や労働、リュックサックで重いものを担ぐようなことを避けます。

症状が軽いときは、肩甲帯を吊り上げている僧帽筋や肩甲挙筋の強化運動訓練を行い、安静時も肩を少しすくめたような肢位をとります。肩甲帯が下がる姿勢の悪い症例には肩甲帯を挙上させる装具が用いられます。消炎鎮痛剤、血流改善剤やビタミンB1などの投与も行なわれます。

頚肋があれば、鎖骨の上からの進入で切除術が行なわれます。それ以外では、絞扼部位が上記①,②,③のどこであるかによって手術法が異なります。

※日本整形外科学会「胸郭出口症候群」から画像を引用しております。