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熊本市東区にしだ整形外科

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肩の痛み3

3.石灰沈着性腱板炎(石灰性腱炎)

症状

夜間に突然生じる激烈な肩関節の疼痛で始まる事が多いです。痛みで睡眠が妨げられ、関節を動かすことが出来なくなります。

発症後1~4週、強い症状を呈する急性型、中等度の症状が1~6ヵ月続く亜急性型、運動時痛などが6ヵ月以上続く慢性型があります。

肩の関節包や滑液包の炎症である五十肩(肩関節周囲炎)の症状とよく似ていますが、通常はそれより強烈な肩の痛みを呈することが多いです。

レントゲン撮影によって腱板部分に石灰沈着の所見を確認する事によって診断します。

レントゲン
石灰沈着性腱板炎

治療

急性例では、激痛を早く取るために、腱板に針を刺して沈着した石灰を破り、ミルク状の石灰を吸引する方法がよく行われています。

三角巾・アームスリングなどで安静を計り、消炎鎮痛剤の内服、水溶性副腎皮質ホルモンと局所麻酔剤の滑液包内注射などが有効です。

ほとんどの場合、保存療法で軽快しますが、亜急性型、慢性型では、石灰沈着が石膏状に固くなり、時々強い痛みが再発することもあります。硬く膨らんだ石灰が肩の運動時に周囲と接触し、炎症が消失せず痛みが続くことがあります。

痛みが強く、肩の運動に支障がありますと、手術で摘出することもあります。

疼痛がとれたら、温熱療法(ホットパックなど)や運動療法(拘縮予防や筋肉の強化)などのリハビリを行います。