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熊本市東区にしだ整形外科

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股関節の痛み7

7.大腿骨頚部骨折

症状

大腿骨頚部骨折では股関節部(脚の付け根)に痛みがあり、ほとんどの場合、立つことや歩くことができなくなります。

原因

大腿骨は股関節のすぐ下のところで曲がっています。この曲がった部分は転倒や転落の時に外力が集中しやすく、骨折しやすいのです。

またこの骨折は、骨粗鬆症で骨がもろくなった高齢者に多発することで有名ですが、本邦でも年間10数万人が受傷し、骨折を契機に寝たきりになってしまうことがあるため社会問題となっています。

医学的には、関節の中で折れる場合と関節の外で折れる場合の2つに分けて治療します。両者の大きな違いとして、関節の中の骨折は血液循環が悪いため骨癒合が得られにくいのに対し、関節の外の骨折は骨癒合を得やすいことです。

大腿骨転子部骨折
大腿骨転子部骨折

予防と治療

予防は折れにくい骨を作るという意味で、骨粗鬆症の治療を行うこと、転倒しにくい環境を整えることの2点です。骨粗鬆症の治療の基本は食事、薬物、運動ですが、女性の場合は正常でも更年期以後年率で1%ずつカルシウム量が減るといわれており、普段から検診等でチェックすることが大切です。

もし骨折が発生してしまった場合は、安静期間中に認知症や廃用性萎縮という運動機能の低下をまねくことがありますので、手術的治療を行うことが一般的です。

関節の中の骨折の場合は骨頭壊死といって、血流障害で後に骨がつぶれてしまう合併症にも注意することが必要です。

大腿骨転子部骨折に対する骨接合術
大腿骨転子部骨折に対する骨接合術