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熊本市東区にしだ整形外科

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歩行障害8

8.変形性股関節症

症状

主な症状は、関節の痛みと運動障害です。最初は立ち上がるときや歩き始めに足の付け根に痛みを感じます。進行すると痛みが強くなり、場合によっては安静時にも痛みが生じます。

日常生活では、足の爪切りが難しくなったり、靴下が履きにくくなったり、和式トイレ使用や正座が困難になります。また長い時間立ったり歩いたりすることがつらくなりますので、台所仕事、階段や車・バスの乗り降りも手すりが必要になります。

原因

患者さんの多くは女性ですが、その場合は先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全といった子供の時の疾患の後遺症が原因となっており、変形性股関節症全体の80%を占めます。

最近は高齢化が進んでいるため、明らかな原因が無くても変形性股関節症を発症してくることがあります。

変形性股関節症

予防と治療

まず股関節への負担を減らして大事に使うことが重要です。

初期は、どのような使い方をすると痛みが強くなるか、自分自身で観察していただき、“日常生活”と“痛みを生じない使い方”をよくマッチさせることが大切です。

痛み止めの薬を使うことも選択肢に入りますが、できれば調子の悪い時やどうしても負担をかけなければならない時に限定して使うほうが良いと思います。また過体重があるようでしたらダイエットを考えてください。心理的抵抗がなければ杖の使用もお薦めします。

一方、痛みがあると歩かなくなり筋肉が衰えてしまいますので、できれば水中歩行や水泳(平泳ぎを除く)を週2,3回行っていただくと理想的です。その他の運動もありますが、疼痛を誘発してしまう可能性がありますので、慎重に始めて徐々に強度を高めていくことがポイントです。

これらの保存療法でも症状が取れない場合は手術療法を考えます。初期のうちは自分の骨を生かす骨切り術の適応ですし、関節の変形がすすんでいる場合は人工股関節手術の適応となります。

変形性股関節症

※日本整形外科学会「変形性股関節症」より一部画像を引用しています。