X

熊本市東区にしだ整形外科

Menu
X

歩行障害10

10.大腿骨頭すべり症

症状

股関節の近くの骨端線がずれるため、痛みや関節の動きの異常、歩行の障害が現れます。 慢性に経過すると痛みが軽いことが多く、長い間診断がつかない場合があります。

原因

大腿骨頭の骨端線は、成長が終了する直前には外力によってずれを生じやすい状態になっています。股関節に近い大腿骨頭の骨端線がずれる病態を、大腿骨頭すべり症といいます。

外傷の影響がはっきりして急性の経過をとる場合と、比較的軽微な外力により骨端線が障害されて、慢性の経過をたどる場合とがあります。

多くは10代前半の男児に発生します。また肥満傾向の小児では、強度が弱い時期が長引いて、大腿骨頭すべり症が発生することがあります。

診断

膝関節の痛みを訴える場合も多く、膝のみの診察、検査では診断がつかない場合があります。また、骨端線は後方にずれることが多いため、大腿骨側面像を撮影してはじめて診断がつく場合があります。また、比較のために反対側のX線像を撮影することも重要です。

治療

治療の方法は急性と慢性で異なります。

急性にずれが生じた大腿骨頭すべり症では、牽引(けんいん)療法や麻酔をかけて愛護的に整復を行い、スクリューで固定します。

一方慢性の場合は整復術は困難です。変形が著しい場合には骨切り術を行います。